新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が発令、不要不急の外出自粛や学校休校などから、企業のテレワーク勤務が急拡大し、生活が一変しました。緊急事態宣言は解除されましたが、引き続きソーシャルディスタンスを保つため、職場にはできるだけ出向かず自宅で作業をすることが推奨され、家で過ごす時間が増えています。コロナ前は必須だった通勤時間がテレワークではなくなるため、住まいに求めることも変わってきています。
MY HOME MARKET®(マイホームマーケット)では、テレワークと住まいに関するアンケート(※1)を実施し、在宅勤務の現状やウィズコロナの時代の住まいについて伺いました。
男性は約8割、女性は約4割の人がテレワーク・在宅勤務を実施
まず、現在、在宅勤務をしている人はどのくらいいるのでしょうか。調査の結果、60.1%の人が、在宅勤務を実施していることが分かりました。男女で見ると、男性は80.6%と8割以上の人が在宅勤務を実施している一方、女性の在宅勤務実施率は約半数の40.9%でした。
約半数の人が、テレワーク・在宅勤務時の仕事場としてリビングを選択
在宅勤務を行っている人に、自宅のどこでしているか質問をしたところ、50.8%の人が「リビング」と回答。以下「書斎」が21.9%、「寝室」が18.0%、「ダイニング」が11.7%、「子ども部屋」が10.2%でした。男女別で見ると、男性は「リビング」が42.2%で最も多いものの、「書斎」が24.1%、「寝室」が19.3%と分散しているのに対し、女性は「リビング」が66.7%を占め、「書斎」が17.8%、「寝室」が15.6%と、男性よりやや少ない結果に。女性よりも男性の方が、書斎など自宅で仕事をすることを想定したスペースを確保できているケースが多いことがうかがえます。
また、少数派としては「自分の部屋」「和室」「物置」といったスペースを利用しているという声もありました。
テレワーク・在宅勤務最大の課題は「ONとOFFの切り替えが難しいこと」
在宅勤務をしていて困ったことについては「ONとOFFの切り替えが難しい」という人が最も多く48.4%(男性48.2%、女性48.9%)、次いで「作業スペースに適したデスクや椅子がない」が39.8%(男性36.1%、女性46.7%)、「光熱費の負担が大きい」が34.4%(男性32.5%、女性37.8%)でした。前問で女性の多くがリビングで仕事をしていることが分かりましたが、専用のスペースがないため、デスクや椅子が作業に適さないと感じている女性が多いようです。また、家にいる時間が長くなったことによる光熱費負担の増加は、男性よりも女性の方が、やや気にする傾向にあるようです。
その他、少数派としては「運動不足になる」「部屋や作業スペースが狭い」「コミュニケーション不足」「ペットが入ってくる」「外の音が気になる」といった声も挙がりました。
テレワーク・在宅勤務で通勤時間がゼロに。約9割の人が「時間を有効活用できる」と実感
在宅勤務をしていてよかったことについては「通勤時間がなくなり時間を有効活用できるようになった」という人が圧倒的に多く89.1%(男性89.2%、女性88.9%)、次いで「休憩時間が有効に使える」が50.8%(男性43.4%、女性64.4%)、「家族と過ごす時間が増えた」が41.4%(男性45.8%、女性33.3%)でした。「休憩時間を有効に使える」という回答は女性が多く、「自炊ができるようになった」という回答も男性が18.1%なのに対し、女性は26.7%と票を集めていることから、仕事の合間に家事をする女性が多い様子がうかがえます。
その他、少数派としては「会議室の空き状況を気にせず打ち合わせや会議ができる」「時短勤務の予定だったが、通勤時間が減った分も働ける」「疲れた時に仮眠がとれる」「宅配が受け取りやすい」「無駄な時間が減った」といった声も挙がりました。
在宅勤務中の男性の3分の1以上が、週6回以上のオンライン会議を実施
オフィスに出社せず在宅勤務を継続するうえで、離れた場所にいる社員同士がコミュニケーションをとるための有効な手段が、オンライン会議の実施です。どのくらいの頻度でオンライン会議を行っているか聞くと、「週に1~2回程度」が35.2%、「週に6回以上」が31.3%、「週に3~5回程度」が25.8%、「していない」人はわずか7.8%でした。男女で見ると、男性は「週に6回以上」が36.1%と最も多いのに対し、女性は「週に1~2回程度」の44.4%が最多で、男性の方が頻繁にオンライン会議をしていることが分かります。
オンライン会議中の服装についても調べたところ、「普段着」が最も多く62.5%、「カジュアル」が32.8%、「ビジネスカジュアル」が16.4%、「通勤時と同じ服装」は10.2%でした。男女ともに普段着やカジュアル着と、出社していた頃よりもラフな服装でオンライン会議に参加する人が大半を占めているようです。また、その他の意見として「カメラ機能をオフにしている」という声もありました。
コロナ禍で生活が変わっても、引っ越しや住宅購入は検討せず?
コロナ禍の影響で、住宅購入や引っ越しを検討したかという問いには、「引っ越しを検討した」という人が8.9%、「住宅購入を検討した」人は1.9%でした。約9割の人が、コロナ禍で生活が変わっても、それを理由に転居するには至らないようです。
コロナ禍により引っ越しを検討した人に対し、どのような住宅を想定しているか聞くと「一戸建て住宅」と「マンション」が人気を2分する結果に。「既存の別荘に生活拠点をシフトする」という声もありました。
また、住宅購入や引っ越しを検討している人に対し、「住宅を購入するならどのくらいの予算を想定しているか」質問したところ、「2,500万円以上」が65.2%、「2,000~2,500万円」「1,500~2,000万円」がともに13.0%でした。
【まとめ】
今回の調査結果により、約6割の人が在宅勤務を行っていることや、自宅に書斎など仕事専用のスペースがなく、リビングやダイニング、寝室などで働く人が多いことが分かりました。
新型コロナウイルス問題が終息した後も、テレワークという働き方がなくなることはないでしょう。家の中でONとOFFを切り替えながら在宅勤務を継続するには、自身も家族もストレスなく過ごせるように、適度な距離を保つ工夫が必要です。仕事に専念するためには書斎などデスクを設置できる個室や収納、コンセントの数も重要になってきます。現在、在宅勤務を行っていて不満を感じている人は、住み替えやリフォームを選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか。
【調査詳細】
調査地域 :全国
回答者 :全国に住む男女213名
調査方法 :インターネットを通じたアンケート配布
有効回答数:n=213
調査時期 :2020年9月28日~10月12日
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ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。
住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。
リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。