家が散らかる4つの原因と対策を伝授!知的家事プロデューサーの整理収納術

「整理しようとしても、ものが捨てられない」、「家が散らかっていて、探しものがなかなか見つからない」といった経験はありますか? 知的家事プロデューサーの本間朝子さんに寄せられる相談のなかでも、整理や片付けに関する悩みはとても多いそうです。そこで今回は、お家が散らかる原因はどこにあるのか? というお話と効率良く整理を行う方法について伺いました。

本間朝子 プロフィール
本間朝子 プロフィール

知的家事プロデューサー。
自分自身が仕事と家事の両立に苦労した経験から、時間と無駄な労力を省く家事メソッド「知的家事」を考案。「時間がない」「家事が大変」と嘆く多くの主婦の悩みを解決している。また、毎月無料で「時短家事セミナー」を自主開催。NHK「あさイチ」、日本テレビ「ヒルナンデス! 」「ZIP!」などのテレビ、 「クロワッサン」「ESSE」「レタスクラブ」「CHANTO」ほか雑誌・新聞等で活躍。
オフィシャルサイト:http://honma-asako.com

知的家事プロデューサーの本間朝子です。家にものが溢れているわけでもないのに、どうしても散らかってしまう、どこから整理すればいいのかわからない、などの悩みは、昔も今も変わらず、相談にこられる方が非常に多いです。そういう方には、まず、ものが散らかる原因からお伝えしています。原因を知ったうえで徐々に対策をすることで、散らかりにくい環境ができあがっていくことでしょう。

ものが散らかる4つの原因!? “保管場所”を意識した解決策

保管場所を意識した解決策

お家の中でいつも散らかっているものはありませんか? ものが散らかる原因は、大きく分けて4つあると言えます。

①ものの量が多い
②しまう場所が決まっていない
③しまう場所は決まっているけど、使う場所から遠い
④複雑なしまい方をしてしまっている

まず、 ①「ものの量が多い」 ですが、ものが多いとストックに気づかず、また買ってしまったり、収納場所から溢れて、散らかりやすくなったりしてしまいます。まずは、不要なものを捨てる、ストックを1か所に集めて使いきるなどして、ものを減らしましょう。

②「しまう場所が決まっていない」 については、定位置を決めましょう。基本的なことですが、とても大切なことです。例えば、いつも散らかっている、カバンや帽子は玄関にフックなどをつけて吊るす、置きっぱなしにしがちなアクセサリー類は、クローゼットに置き場所を作って着替えるタイミングではずす、ペンやハサミなどの文具は家族みんなが通る場所の棚にまとめておくなど、それぞれの収納場所を決めることで、ものが散らかる原因を少なくすることができます。

次に、 ③「しまう場所は決まっているけど、使う場所から遠い」 ですが、こんな経験はありませんか? 自室でハサミを使うとき、リビングまで取りに行ったものの片付けるのが面倒で、ついつい自室に放置してしまった。保管場所と使用場所が遠い場合、そういったことが起こり、ものが散らかるケースに繋がります。このようなことを防ぐために、使用場所の近くに保管したり、各所で使う道具はそれぞれの場所に散りばめて置いたりすることをオススメしています。私の家では、ハサミはリビング、玄関、脱衣所、キッチンと複数の場所に置くようにしていますよ。

④「複雑なしまい方をしてしまっている」 は、例えば、「扉を開いて引き出しを開け、その中に入っている箱から取り出す」のようなしまい方です。このようなしまい方では手間がかかり過ぎて、絶対に元に戻せないですよね。ですので、できるだけ1〜2工程で出し入れができるような、シンプルな収納を目指すのがオススメです。 例えば“深さ”のある引き出しは、ものを積み重ねてしまい、「上のものを持ち上げて、下のものを取り出す」のような複雑なしまい方になりやすいので、その場合はファイルボックスなどを入れて、“立てて”収納するようにします。これなら「引き出しを開ける」「取り出す」の2工程で出し入れができます。

「いる」・「いらない」・「迷う」を3秒以内に分別する!

「いる」・「いらない」・「迷う」を3秒以内に分別する!

ものが散らかる原因をお伝えしたので、次は整理をはじめてみましょう。まずは、「引き出し一段」など小さいスペースからはじめることをオススメします。コツが分からないうちに、キッチン全体や押し入れにあるものを一度に整理しようとすると、途中で挫折したり、時間が足らなくなったりしてしまいますので、最初は細かく範囲を区切って行います。慣れたら徐々に範囲を広げて行きましょう。

やり方は、引き出しの中身を全部出して並べ、一つ一つのものを「いる」・「いらない」に分けます。判断基準は「1年以内に使ったかどうか」です。整理が苦手な方は、「まだ使えるから」と、多くのものを「いる」にしてしまいがちですが、そういったものはたいてい使わないので、実際の行動から判断してください。時間をかけると迷ってしまうので、手に取ったら3秒で分けるのがポイント。整理をはじめるときはタイマーをセットして、30分を目安に終えるように意識してみましょう。時間制限を設けることで、スムーズに分別できるようになると思います。

分別するとき、1年以上使っていないけれど、どうしても捨てられないものは「迷うもの」として、別の場所に置きます。仕分けが終わったら、袋などにまとめて、定期的に目に入る場所に置いておきましょう。何度も目にするうちに、「もういいかな」と思えて、手放せるタイミングがきます。「迷う」のは、ものとのかかわりが少ない場合が多いので、服なら着てみる、食器なら使ってみることで、納得して手放しやすくなります。

想い出のものが捨てられないという方は、データ化してみてはいかがでしょう? 私はお友達からの手紙や子どもの絵などを「Evernote」というアプリで保管しているのですが、実物を残して保管しておくより、目に触れて楽しむ機会が断然増えますよ。もちろん大切なものは実物であったほうがいいと思いますが、とっておくかどうか迷うものであればデータにするのもいいかも知れませんね。

また、整理をすると自分の買い物の傾向も見えてきます。例えば、スプーンはいっぱいあるのに、フォークは足りない、といった自分のクセに気付けたら、買い物をする時の参考になるので、余計な出費を防ぐことにもつながります。

収納ボックスは最後に買うことが鉄則!

収納ボックスは最後に買うことが鉄則!

ものを整理するために、まずは収納ボックスを買う、という方がいらっしゃいますが、それは控えた方が良いでしょう。最初に収納ボックスを買ってしまうと、意外と入れるものが少なくて活用しきれなかったり、置き場所に合わずに困ったりする場合が多いからです。

そこでオススメしたいのが、紙袋を使った仮の収納ボックスです。紙袋を切って、内側に2回折り畳むだけで、簡易ボックスの完成です。まずはこれを仮置きして、ものを入れて使ってみて、本当に収納ボックスを買う意味があるのか、買うとしたら、どの程度の大きさのものが必要なのかを見極めるようにしてください。

ものが散らかる原因と整理方法のまとめ

”整理収納”という言葉を耳にする機会があるかと思いますが、実は整理と収納って、全く違うものなのです。簡単に言うと、整理は不要なものを減らすことで、収納は出し入れしやすくしまうこと。収納に関しては、突き詰めれば知識やテクニックなどの技術が必要になってしまうので、まずは整理からやってみるのがオススメです。整理が進めば、それだけ収納もしやすい環境になってくることでしょう。