おしゃれなアイテムやお気に入りのフィギュアが上手に撮れない……そんな悩みを抱えている方はいませんか? デザインは素敵なのに、いざ写真にするとイマイチ良さが伝わりづらいってこと、ありますよね。そこで、プロカメラマンの瀬川陣市さんにスマホでアイテムを上手に撮る方法について、解説していただきました。この機会にお気に入りのアイテムでインスタ映えを狙ってみましょう!
フォトグラファー、フォトララ写真未来研究所(https://photolala.net)代表。
米国ウィスコンシン州立大学などで写真を学び、帰国後1995年よりフォトグラファーとして活動。2006年よりAll About写真撮影ガイドなど、各種メディア等で写真に関する執筆、講座を行う。「動画撮影の教科書」(秀和システム刊)など著書も多数。現在は、動画、ドローン撮影も含めた映像コンテンツについての講師、コンサルなどでも活動中。
みなさん、こんにちは。瀬川陣市です。今回はアクセサリーや小物など、お家にあるアイテムを上手に撮影するコツをご紹介していきます。お伝えしておきたいポイントやスマホならではのテクニックがたくさんありますので、ぜひ参考にしてみてください。
プロカメラマン伝授!! スマホでアイテムを上手に撮る方法
ズーム機能を使って被写体の歪みを防ぐ‼︎
スマホのカメラでアイテムを撮影する際は、被写体の歪みに注意しましょう。ほとんどのスマホは「広角レンズ」という広い範囲を撮影することに適したレンズが使われています。広角レンズには広範囲を撮影できるというメリットがある一方で、ピントを合わせた被写体に歪みが生じやすくなるというデメリットがあるのです。
歪みをなくすためのポイントは、被写体から少し離れ、望遠で被写体を寄せて撮影することです。近い距離で撮影を行うと、被写体が丸みを帯びてしまい、本来の形を写すことが難しくなってしまいます。離れた距離からズーム機能を使って撮影したほうが、被写体そのものの形に近い、歪みの目立たない写真にすることができます。
ズーム機能を使う際の注意点
ただし、スマホのズーム機能を使う際には画像が粗くならないよう注意が必要です。一眼レフなどのカメラはレンズと被写体との距離を縮めて撮影する「光学ズーム」という機能を使って拡大するので、画像が荒れることはほとんどありません。しかし、スマホの場合はレンズに映る画像の一部を切り取って拡大する「電子ズーム」という仕組みなので、どうしても画像が粗くなってしまうのです。最新のスマホは倍率を指定することができるので、ズームをする際は2倍から3倍を目安にするといいでしょう。
被写体は水平・垂直を意識して撮る
どのような被写体を撮る場合にも共通しているのですが、水平・垂直がしっかり取れていると写真全体に安定感が出ます。被写体のなかで一番目立たせたいポイントが決まったら、その点を中心に、水平・垂直のラインを合わせるようにしましょう。ラインを定めるときは、グリッド線を使うことをオススメしています。グリッド線はiPhoneでもAndroidのスマホでも、カメラの設定を変えるだけで簡単に表示されることができます。
アイテムがきれいに撮れる構図の作り方
主役を決めてピントを合わせる
写真をきれいに撮るうえで重要となるのが、構図づくりです。構図は簡単に言うと、仕上がりを意識した画面構成のことで、まずは写真のなかで主役となる被写体を決めることからはじめましょう。
その際に大切なことは、ピントをどこに合わせるか、ということ。ピントを意識せずに複数の小物を撮ろうとすると、どうしても図鑑のような平面的な写真になってしまいます。すべての被写体にピントを合わせようとせず、主役となる被写体に合わせることで、印象的な写真を撮ることができるのです。
どのような構図にするか迷った際は、縦と横のグリッド線が交差する4つのポイントのどこかに主役を置くようにしてください。これは「三分割法」という構図で、バランスのとれた余白ができやすくなるので、安定感のある写真になります。
テーブルセッティングで主役を引き立たせる
写真の主役を決めたら、テーブルセッティングも行いましょう。アクセサリーや小物などの場合、土台となるテーブルや台から余計なものを取り除いたり、主役を引き立たせる色のクロスをひいたりすることが重要です。その際、背景の色にも気を配ります。例えば、黒みの強い被写体を灰色の背景の前で撮影してしまうと、被写体の色をかき消してしまうことになりかねません。黒みの強いものを撮る際には、背景は白や明るい色にして、主役が際立つようにしましょう。
「活きている間」を意識してワンランク上の撮影を!
写真の印象は「間」の使い方によって大きく変わります。主役となる被写体を中心として、その周りのスペースが「活きている間」なのか、それとも「死んでいる間」なのかを見極められるようにしましょう。
「活きている間」とは、主役を印象づけるために上手く活用されているスペースのことを言います。主役の周りを取り囲む余白が効果的に写真に反映されていれば、全体に収まりの良さを感じられるでしょう。
反対に「死んでいる間」は、明らかに無駄を感じるスペースのことを指します。余白を大きくしすぎたり、主役の周りに余計なものを置いたりすることによって起こる現象です。写真のなかで無駄なスペースができてしまうと、被写体そのものの印象が薄くなってしまいます。撮影時には主役を囲む「間」の取り方に注意をして、適切な「間」を心掛けましょう。
マニア必見‼︎ フィギュアをカッコよく撮る方法
お気に入りのキャラクターフィギュアを撮影する場合には、写真にストーリー性を加えることも意識してみましょう。いつもとはちょっと違う雰囲気を演出することができます。
例えば、フィギュアに照明をあてて撮影することで、立ち姿に影を加えることができます。戦隊モノのヒーローなどがポーズを決めている姿を、より印象的にしたい場合に適しているのではないでしょうか。自然光のもとで撮影するよりも陰影がつき、深みのあるカッコ良い写真になります。
また、背景を工夫するのもいいでしょう。例えば、PCのディスプレイに夕日などの画像を表示したうえで、フィギュアを撮影してみてください。シンプルな背景の前で撮影するよりもインパクトのある写真になります。その際にはディスプレイとフィギュアの距離に注意してください。フィギュアがディスプレイに近すぎると、ドットが写真に映ってしまい、見映えが悪くなってしまいます。ある程度の距離まで離れたうえで、ズーム機能を使って撮影するとキレイに撮ることができますので、ぜひ、お試しください。
スマホでアイテムの写真を上手に撮るポイント まとめ
アクセサリーや小物などのアイテムを撮影する際は、主役となる被写体にしっかりピントが合っているかをきちんと確認するようにしましょう。また、背景や周りの色の配置によっても写真の雰囲気は変わります。撮影する環境を整えることも忘れないようにしてください。